2006年 05月 28日
結局バナキュラーな(土着的なる)ものづくりが美しいとおもいます。 |
(写真上)福島県猪苗代湖周辺で見かけた、納屋の外壁デザイン。やろうと思って出来るものでないところが美しいと僕は思いました。実はこの手の無造作!に大変関心があります。何故だかは解りませんしそんなこと掘り下げて考えようとも思いません。とにかく良いんだから仕方ありません。
「朽ち果てる最中の美しさ」。
長野市と松本市の途中にある中山間集落、本荘村で発見した納屋。朽ち果てるがままに放置してる状態だが、不思議と安心して魅とれてしまった。このまま瓦礫の山になろうとも、みんな土に還ることを許された建材構成だからだろうか。建築にあっても自然と人間の約束事に逆らわないモノづくりでありたいとつくづく思う。
一方こちらの土蔵は今だ現役。同じ本荘村で、発見探検ほっとけん!状態でいったいどれくらいの時間この前でたたずんだことだろう。プロポーションを設計図案で図ったとは考えられない偶発性がフォルマリスチック。いずれにしてもこの山の風景にこんなに調和していいのでしょうか!完全に嫉妬しちゃう!
足元だって、ほらこの通り。周辺の石を拾い集め、乱積みにした石垣基礎と粘土壁の絶妙には、やっぱり誰が考え誰が造り上げたのと、その人物像に大変興味深々となりますなあ?。こういう造形には、流行り廃れがないのが安心だね。
「すのこ壁建築の妙」
僕らが追い求めるすのこ壁建築。このファサードデザインに勝るフォルム創りできるかな?結局のところ建築の存在を消し去りたいのかなとも思うことしばし。だからすのこで逃げる?逃げれば追いかけたくなるので、すのこに託す建築的夢が何かあるのでしょう。益々すのこデザインの妙をきわめる所存。(諏訪神社・下社前の土蔵)
最後に、モダニズム的バナキュラーのグッドデザイン!を。雑居ビルの屋上に上がる外階段をなまこ板で素直に覆うとこうなります。作者からは、別に美的センス云々なんて考えて作っていませが・・・?なんて言われそうだが、どうしてどうして見事なもんですよ!ここまできたら、建築基準法なんてどうでもよくなりますかなあ?!絶妙だけど微妙か?
by k-seno
| 2006-05-28 00:53